実際に昔はIT土方やデスマーチ(過酷な労働状況)などの言葉を良く聞くことがありました。
しかし、現在では政府の働き方改革の動きにより、システムエンジニアだからといって必ずしもきつい労働状況というわけではありません。
この記事ではそんな不安を持っているあなたに向けて、エンジニア経験者がシステムエンジニアの現実を解説していきます。
Contents
システムエンジニアがきついと感じる理由
そもそもなぜシステムエンジニアの仕事はきついと言われているのでしょうか?
<きついにも色々あり、体力的にきつい、精神的にきつい、など人によって感じ方はさまざまです。
エンジニア経験者がシステムエンジニアがきついと言われている理由を体験談を踏まえて解説していきます。
残業時間が長い
まずはきつい仕事の代表例、残業時間が長いことです。
案件の工数は契約前に見積もっていますので、予定通りに進んでいれば長時間残業をすることはまずありません。
ただ、案件の規模が大きくなるほど想定外なことが起こるのがシステム開発です。
たとえば「テスト工程で外部仕様の誤りが見つかった」「パフォーマンステストで思ったような実績が上がらない」など、案件のリリースが近くなって大きな問題が発生すると、どうしても残業でカバーしなければいけない場合があります。
納期を延長するためには納得させる材料を時間をかけて用意する必要があり、時間をかけて調整するくらいなら残業することでカバーしたほうが楽だと思うシステムエンジニアも少なくはありません。
そのため炎上プロジェクトができ上がるのです。
唯一の救いとして、勤め先がホワイト企業であればキッチリ残業代がもらえるので、金銭的には余裕ができることです。
しかし、みなし残業で上限が決められている会社は働き損になってしまいます。
クライアントとエンジニアの板挟み
続いてシステムエンジニアのきつい点は、常にクライアントとプログラマーの板挟みになっていることです。
システムエンジニアの仕事は、クライアントに要件をヒアリングして、システム仕様に落とし込んでいくことです。
システム仕様書はプログラマーへ渡して実装してもらいます。
当初の要件がリリースまで変わらないのであれば案件はスムーズに進むのですが、途中で降ってくるのが世にも恐ろしい「仕様変更」というやつです。システムエンジニアは顧客から仕様変更の依頼があると、追加分の工数とスケジュールを検討して、基本的には当初の予定期間内で収めるようにします。
ただ、システムエンジニアだけで決めてしまうと、プログラマーから「いやいや、その修正だったらもっと期間もらわないと無理でしょ」とか「その仕様を取り込むなら人を増やしてよ」などというクレームが来るのです。
システムエンジニアとしては、プログラマーと顧客が両方納得する形での落としどころを見つけるため、日々調整に走り回ることになります。
マネジメントがきつい
システムエンジニアは現場でのキャリアが長くなると、プロジェクト管理を任されることになります。主な仕事はスケジュール管理やプロジェクトの要員管理、そして顧客への進捗報告です。
ただ、システムエンジニアはプログラマーからスタートしている人も多く、マネジメント自体に慣れていない人が大半なのが現状です。とはいえ、会社からプロジェクトマネージャーに任命されてしまうと断るわけにも行きません。
マネジメントはスキル的な部分もありますが、個人の向き不向きもあるので職人タイプの人がマネージャーになり、一気にモチベーションが下がってしまうケースもあります。
そのような状況でクライアントとプログラマーの間に入ってコミュニケーションを続けるのは苦痛と感じる人もいるでしょう。
システムエンジニアがきついかは職種による
主にきついと言われているシステムエンジニアの職種は「SIer」と呼ばれている、大手企業などから案件を受注して納品するタイプです。
なぜなら大企業などから仕事を請け負っている分、スケジュールの自由がきかずプレッシャーも大きいからです。
例えば大企業でシステムのリリース日を世間に公表してから仕事を依頼します。
途中でトラブルがあってもほとんどの場合は、納期を
実はもう1つ「社内SE(システムエンジニア)」という職種もあります。
社内SEは自分が所属している会社のシステムを担当するエンジニアです。
社内SEの場合、SIerでいうところの顧客は自社のメンバーになるので、きついと言っても限度があります。
開発も当然ながら自社内で行うことになりますので、プレッシャーも少なく、良くも悪くも「ゆるい」環境が多いようです。
ただ、精神的に安定した状態で仕事ができるは1つの魅力でもあります。
システムエンジニアがきついかは企業による
システムエンジニアがきついかどうかは、入社した企業の業務形態によります。
SIerなどクライアントから案件を受注するタイプでは、融通が効かないことも多く、システムエンジニアにしわ寄せが来ることも避けられません。
一方でメルカリやサイバーエージェントなど自社開発をしている企業であれば違ってきます。
要件からシステム仕様や納期(リリース日)まですべて自社で決めていますので、開発状況によって柔軟に対応できるのです。
自社開発ではコミュニケーションが取りやすいので、細かい認識齟齬が起きにくく、結果として案件もスムーズに進むことになります。
システムエンジニアがきついかはプロジェクトによる
システムエンジニアはプロジェクトによっても、きついかどうかが分かれます。
顧客の要件をもとにスケジュールを決めるときに、システムエンジニアが「半年かかる」と言っても、顧客から「なんとしてもこの日までにリリースしたいから短縮できないか」と頼まれることがあります。
システムエンジニアとしても短い納期を拒否して案件が受注できないと困るので、何とか対策を考えてしぶしぶ了承してしまいます。
そして契約してしまった以上、案件でトラブルが起きても納期をずらせず炎上してしまうのです。
ただ、クライアントの中にも開発側の気持ちを察してくれる人がごく稀にいます。
運良くそのような人に案件を担当してもらうと、問題が起きたときに相談すれば味方になってくれて、クライアント側の上司と掛け合ってくれることもあります。
きついシステムエンジニアにならないための企業選び
システムエンジニアがきついと言われている理由を解説してきましたが、ここからは未経験からシステムエンジニアを目指す人に向けて、企業選びの方法をご紹介します。
新卒でも転職でも選ぶ企業によってその後の仕事人生が大きく変わりますので、慎重に選んでください。
自社開発をしている企業
一番のおすすめは自社開発をしている企業です。
先ほども解説した通り、自社での開発であれば風通しが良い環境で作業できますので、自分のキャリアにとってもプラスになることが多いでしょう。
ただし、この自社開発の企業は人気が高いので競争率も激しくなっています。
もともと自社で開発ができるということは、マーケティングや企画力もある企業ですので人材のレベルも高くなっているのです。
企業を選ぶときに自社開発を目標とするのは構いませんが、周りのレベルも高いことを認識しておきましょう。
社内SEを募集している
次は業種を問わず社内SEを募集している企業です。
大きな企業では社内システムの運用保守を担当している部署があり、募集人数は少ない可能性がありますがシステムエンジニアを必要としています。
社内SEとしてのキャリアは市場価値として認められにくいというデメリットもありますが、安定した職種を目指している人には合っています。
みなし残業がない
これは企業の募集要項など見ればある程度わかることですが、給与体系には十分気をつけることをおすすめします。
たとえば「月20時間のみなし残業」と書いてあると、定時で帰れるようにすれば20時間分の残業代がもらえる!と思いがちですが、現実はそんなに甘くありません。
みなし残業を採用している企業に限って、到底その時間内では終わらないことも多く、実質的なサービス残業になってしまう危険性もあります。
結論:システムエンジニアには企業選びが重要
システムエンジニアの現状について解説してきました。
結論としてはやはり企業選びが最重要で、自分が想定している仕事と違う業務形態の企業に入ってしまうと、あとからの軌道修正が大変です。
まずは自分がどんなシステムエンジニアになりたいのかをもう1度考えてみましょう。
そして、自分がやりたい仕事ができる企業をターゲットして転職活動を進めれば、きっと理想の企業に巡り会うことができますよ。
今なら転職サイトより、転職サポート付きのプログラミングスクールがおすすめです。
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